熱海

2年前に母、昨年の夏に父を

そして、私の一部だったあの子も旅立っていった

なんていうことだろう

ぽっかりというよりは、もっと大きな深い穴が私の心にあいた

はじめて感じる深い喪失感だった

立ち直れないのではないかというより、立ち直る気持ちさえもなくなってしまった

不謹慎かもしれないが、長い闘病生活を送っていた母と父を見送ったときは、ホッとした気持ちもあったことは、事実だ

でも、なんだろう

ものを言わないあの子が、突然の病魔に襲われて、わずかな時間で逝ってしまった、あの時、悲しみよりも深い何かが、私の中で、渦を巻いて、そこから、動くことができなくなった

あれから、3ヶ月

もう少しで、あの子が迎えるはずだった13度目のバースデーの日がくる

何も手につかない私をもう半ば呆れた夫が、どこか行って来たらと引きこもり状態の私を無理やり娘の所に追いやった

まだ、寒いこの時期は、どこに行こうにもよい場所も思いつかず、近場だし、梅でも見に行こうかと熱海に来た

梅はもちろんきれいだったし、熱海桜は、もうすでに葉桜だったけど、ライトアップされて、とても美しかった

多分、こんな引きこもりのおばさんに付き合うなんて、本当は、面倒くさいと思っているだろう娘は、前日、友達と遅くまで遊んでたらしく温泉から上がるとあっという間に寝てしまった

そうなっちゃうと熱海だろうと温泉だろうと1人でいる時と同じで、また、あの寂しさの中に戻ってしまいそうになる

f:id:coco02201110:20170207014922j:image

これから、どうなるんだろうと自分のことなのに全くわからない

私の行くべきところは、気晴らしの旅行ではなく、病院だったのかもしれない